流転 流転で 日が暮れて 己が無力に 秋深し。

しばらく
文章を書く気が
しなかった。

秋になると
ことさら「月」に
思念が行くが、

今年は
太陽のことばかり
思っていた。

最近喧伝されている
太陽の公転だ。

太陽だけは
泰然自若と
静かに浮かんでいるものと
思っていたが…

なんとその実像は、

秒速200km以上の
スピードで
銀河系の重力に対し
公転していると
いうではないか。

しかも
錐揉みのように
螺旋軌道を描きながら. . .

なんという様だろう。

もちろん地球も
太陽の重力に引っ張られ
1年で太陽を公転しながら
同じく
錐揉みのように
銀河系を暴走していることになる。

初秋に
そんな現実に触れ
己の無力感が
さらに深まった。

万物は流転する
とはいうものの…

大日如来であり
天照大神であるところの
太陽だけには
じっとしていて
欲しかった。

スーパーマーケットの中で
スタスタと足早に
消えていく母親に
泣き叫びながら
追いすがる子供の姿を
思った。

同時に、
親鸞の「他力」を
痛感した。

自力なるものは
何一つ無い。

わたしたちは
完璧なる
弱者なのだ。

母親を見逃したら
生存のチャンスは無い!

わたしたちは
必死なる流転者である。

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