平和の中で 『 戦術 』を謳歌する大会が  その先に思慮すべき幻影とは . . .

梅雨が
終われば

すぐに

戦時を
弔う季節が

やってくる

なんと
悲惨な時代が
あったものだ ..

高校生のころ

随分戦史を
紐といた

映画「 戦場に架ける橋 」
を観たのも

そんな
折だった

悲惨を極めた
インパール作戦

その兵站と
資源確保のため

敷設された
泰緬鉄道

絶壁と密林の
400余km …

その喉仏に
位置する橋こそ

戦場に架ける橋
クワイ河鉄橋

わたしは

40代の
後半

やっと現地に
立った

こんな
タイの秘境まで

日本の
若者たちは
辿り着いたのだ

日本兵と
捕虜イギリス兵の間で

繰り広げられる
相克の葛藤

日本の
仕打ちに

統率力で抗う
イギリス兵

流れる「 クワイ河マーチ 」は
英国礼賛マーチでもある

なにしろ
戦勝国側の映画だ

ただし

両国の
若者には

なんの
落ち度もなく

本来
胸襟を開き

世界を語り合う
仲間だったはずだ

わたしは
幻影を見た

クワイ河マーチに
のって

喜色満面
肩を組み

橋の向こうから
やってくる

日英の
若者たちの隊列を

….

今週から始まる
W杯ロシア大会

平和の象徴として
観戦できる幸せを

あの
クワイ河鉄橋訪問に
時間を遡り

往時の
若者たちの

冥福を
祈りながら

合唱し
感謝したい

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