ただこの一日を生きる…という概念。

以前一年カレンダーについて書いた。

今日はそれと全く違う、
心の奥底に常にある
別の概念について触れる。

ただ今日この一日を生きる…
もっと言えば、
ただこの一瞬を生きる…
という概念だ。

現代のように
一定程度の安全が
保障されている時代は
歴史を振り返ると意外に少ない。
歴史は「戦の歴史」でもある。

秋の豊作を祈り
畑仕事をした翌日に、
戦場の露と消えた人々。

戦火の最前線で
一瞬後の命を
保障されなかった人々。

いつ、
家族、親友、知古との縁が
断絶するかしれなかった。

どの時代も
こうした人々の歴史で溢れている。

これを
別時代のことと見過ごせば
人生を見誤る。

わたしたちは
たまたま現世に
生まれたに過ぎない。

当時を生きた人々の死生観とは
一体如何なるものだったのか…と
よく思いを馳せる。

こんな罪の無い文章を
書いている暇など無い。

切迫して今日を生きるという
連続であったろう。

その意味で、
この一日を生きる、
生き切る…という概念は
必須の要素であり
全ての原点だと思う。

蝉しぐれを聞き、
八月十五日が近づくにつれ
毎年その思いを強くする。

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