冬
夜来の雨
朝七時
クルマで
コンビニへ
JR警報機が
鳴り始め
一瞬の
静寂
吐息で曇った
通勤電車が
駅に
滑りこむ
ふと
フラッシュバック ..
東京時代
東急東横線
日吉から
日比谷線
乗入れ
霞が関
下車
あの
人いきれ…
二日酔いに
一駅ずつ
乗り継いだ日
徹夜続き
会社に着いて
初めて
メガネの両眼が
ぬけ落ちていることに
気づいた日
当時のCM
「 24時間働けますか!」
は
今も鼓膜に
貼りついている
そんな
時代も
1991~2年か
あっけなく
終焉した
バブル崩壊
社会は
大きな痛手を
負った
わたしも
家族をつれ
敗残兵の
ごとく
着の身着のまま
地元へ戻った
あれから
もう
30年近くが
過ぎ去る
最近時々
考える
あのまま
働いていたら
高揚の中で
わたしは
死んでたんじゃ
なかろうか…
結局
バブル崩壊に
救われたのだろうか
. . . .
最近また
株価が上がっている
当時と違い
今や
ゼロ金利
そして
投資は
当時に
増して
海外大口
仕手戦だ
しかも
あの崩壊で
皆
知恵を
つけているはずだ
ただ
30年という
隔世が
気にかかる
わたしは
食パンを
1袋買い
駅へ向かう
若者の背に
エールを
送りながら
緑
繁茂する
我が家に
戻った