深いレイヤーで 密かに解明しつづけた アランドロンという存在

過日
NHKで

アランドロンの
インタビューが

流れていた

2枚目の
代名詞として

往年の銀幕を
飾った男であることを

知る人は
多いだろう

わたしにしても
彼は

気になる存在で
あり

彼の
宣伝する

スーツのポスターを
眺め入ったり

彼が宣伝する
マツダの車を

購入したことも
ある

しかし
彼を好きか?


聞かれれば

ノン


答えたものだ

この
精神的ギャップは

わたしの生活に
不便こそ与えないものの

心のどこかに
絡みつき

わたしの
深部の

350枚目くらいの
レイヤーで

意識しない
範囲で

解明が
繰り返されてきた

まさにその
インタビューとあって

わたしは慎重に
聞き入った

彼が
言った

『 わたしは役を演じるのではなく
  役を生きた 』

と。

あ、

だからだ!

わたしは
ピンときた

彼が醸し出す
現実感が

映画を観ていて
辛すぎたのだ

わたしは

俳優は

役を
演じるべきだ


思っている

本人の

その他の作品と
相まって

ふくよかな
余韻がながれるからだ

彼は
続けた

『 わたしは演劇の勉強をしたことがない。
  だから、
  生きるしかなかったのだ 』

と。

わたしの解明は

やっと終わりを
告げた

熟年の
アランドロン

グッドラック

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