おはぎ ユウコウ! にぎり寿司 イッポン!

今年のお盆、
「おはぎ」を
目の当たりにして
思い出す言葉があった。

ビジネスには
滅法強気の先輩が
酒の場で…

「 人間はね〜 時に
長いものに巻かれることも
必要なんよ〜 」

と、しんみり語った言葉を…

その時わたしは、
あんパンの餡や
巻き寿司の具は
永久に巻かれ続けるはずだ…

と、思った。

世間というものは、
巻く側と
巻かれる側が
そうコロコロとは
変化しない。

しかし、
目の前にある「おはぎ」は
様子が違っていることに
生まれて初めて
気がついた。

餡が巻かれないで
もち米を巻いている。

そういえば昔から
「おはぎ」には
ただならぬ威容を
感じていた。

わたしはしばし
ニュートンのように
己の発見に感動していた。

そして、
ついに思い至ったのだ。

なぜ、
日本のにぎり寿司が凄いのかを!

シャリを上から
完全に抑え込んだ
あの堂々とした姿…

巻くことすら超越した
完璧なるホールド勝ちのかたち…

だから人々は
にぎり寿司に高い金を
払うのか〜…

先輩に伝えたかったが、
残念ながら彼は今年
鬼籍に入った。

わたしは
目の前の「おはぎ」を
ゆっくりと
噛みしめた。

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