「クラッシック音楽」という、やや面倒な存在

また
第九の季節が来た。

クラッシック音楽は
若い頃から
鬼門であり、

今もかなり
面倒な存在だ。

とにかく
待っていられない!

こんな長蛇な曲を
聴いているよりは

まだ
犬のように
電柱から電柱を
嗅ぎ回っていた方が
いい。

さっさとやれよ!

と思ったものだ。

しかし
捨てきれぬものが
ある. . .

それは「協調」

日本音楽に無い
多楽器による
オーケストレーション。

すべての個性が
寸分たがわず連動し
イメージを
協調していく緊張感。

そこには
確かに
悦びがある。

しかし
聴くとなると
耐えて
第二楽章まで、

第三楽章辺りで
挫折する。

そんなわたしが
初めて全曲を
聴いたのは

カールベーム指揮
ベートーベン作曲
「田園」

高校2年生と記憶する。

たまたま
映像と一緒に
見た。

よぼよぼの
今にも
卒倒しそうな
爺さんが
立っている。

まどろんでるのかと
思いきや

時折
小さな指揮台の上で
ぴょんと
跳ねたりする。

おやっ
爺さん. . .

1ステージを
ただ眠って
過ごそうとしてるのでは
なさそうだ。

指揮者の
執念という閃光を
垣間見た
一瞬だった。

それ以降、
クラッシック音楽は
映像付きで見るものと
決めている。

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