京都
春たけなわ
寺町通を
歩いていると
ある
仏具屋で
一人の尼僧を
拝見した
その人は
蒼々と剃髪し
ドレスのように
黒袈裟を着こなし
頬を
紅く染め
数珠棚を
見回し
そして
異国の人で
あった
呼吸は
1分間に6回
求めるものは全て
心の内にあり
持ち物は
黒い巾着1つで
よかった
わたしは
その店を
わずか4秒で
通りすぎた
そして
彼女が
この地に
辿りつくまでの
勝手なストーリーを
創作し
瞼が
涙で一杯になり
ポタポタと
路面に落ちた
幸い
サングラスをしていた
その後
思念は
我が生活
住居に及んだ
積み上げた端から
崩れ堕ちた書籍
散らばった書類
文具
雑貨
衣類
家電
廃棄処分を待つ
様々な事務機器 …
なにを
やってんだ、オレは!
. . . .
実はもう
10年も前から
身の周りを
みかん箱
2つにしようと
考えて
きた
やる気さえ
あれば
いつでも
出来たはずだ
最後の
最後は
みかん箱
1つでいい
人生とは
そうあるべきで
それがマナーと
言うべきだろう
資本主義に
貢献するなら
居酒屋で金を
使えばいい
さあ
整理するぞ〜 !
世間は
ゴールデンウィーク
今しかない
すぐ梅雨になり
夏になり
寒い冬がくる
今しかないのだ !