禅と呼吸とリラックス

年寄りと
同居しているので
時折皆で
一泊二日の
温泉地へ出向く。

自分の時間となり
大浴場の湯に浸かる。

なにか呼吸が
しっくりこない。

折角だし
自分もリラックスしなくちゃ…
と焦るほど
何かに追われるように
呼吸は乱れる。

唐突に
深呼吸してみる。

横隔膜をつかい
沢山空気を吸った分
吐くのに時間がかかる。

すると
逆に息苦しくなって
しかも
お湯の熱気でのぼせてしまう。

そこでやっと
そうだ「禅」だった…と
思い出す。

欲をかいて
沢山吸い込むからいけない。

腹筋に力を入れつつ
静かに吸い込み、

吐き出しながら
腹筋を元に戻す。

臍下丹田(せいかたんでん)を意識した
逆腹式呼吸というもの。

これが結構難しい。
本来の呼吸動作と逆だからだ。

どうもいきなり究極を目指す癖がある。

あきらめて
普通の呼吸に戻す。

あれこれと
呼吸ばかりに
意識を集中していると
不思議と
雑念が取り払われていく。

わたしたちは
自分の範疇以外に
社会の悲惨なニュースや
天変地異への怖れなど
無意識のストレスを
抱えている。

京都五山で
呼吸の基本を叩き込むべきか。

何せ呼吸は
あまりお金がかからない。

Written by: