栄光とは 「日々の生活の果てにある境地」なのか . . .

記憶に残る映画が
ある。

タイトルは

「 栄光のル・マン 」

フランス
サルテサーキットで

1年に1度

24時間に
何km走破するかを
競う

自動車の
耐久レースを
テーマにした

1971年公開の
映画。

大概
人気映画というものは

飽きさせないように

時空を飛び回り

賢者を
要求するかのごとく

いたるところに
伏線を張る。

しかし
この映画ときたら

サーキットの
ただ1日を

あたかも
ドキュメンタリーのように

淡々と
追っているに
過ぎない。

しかも
全編通じ
栄華 栄光など
微塵もない。

そこに
あるのは

日々の
淡々とした生活

全周13km余の
決められたコースを

平均時速
200kmで

ただただ
延々と走る

それは
まさに
生活そのもの。

そんな中で
ニアミスする
男と女。

二人は
日常生活の
淀みを通して

その先にある「境地」を
一瞬
垣間見る。

そこに見えたのは
金でも
名誉でもない。

じゃあ何か?


問われれば

返答に困る類のものだ。

あえて
答えを
捻り出すなら

己の死生観
とでも
いうべきものだろうか。

この映画は
マックインの
単なるヒロイズムと

散々叩かれた記憶が
あるが、

わたしにとっては
今も
秀逸に生きている。

Written by: