映画は エンドロールこそ 監督の美学が表出されるクライマックス、人生そのもの。

映画の
本編が終わると

大概は
多くの人が

足早に
席を立つ。

わたしは
そこからの
エンドロールに

多くの見せ場があると
スクリーンに
集中する。

気になるのは

どんなフォント(書体)か

フォントの
太さと級数(サイズ)

フォント間の空白

文字列間の空白

文字列が

左寄せか
センター合わせか
右寄せか. . .

もちろん
スクリーン自体の地色も
感覚を大きく左右する。

それらを
チェックしながら

同時に

配役が表記される順番

配役と配役の
文字列の間隔などを
眺める。

BGMを
どうコントロールしてるかも
重要なポイントだ。

それらを
総合的に眺めながら

本編の意図を
頭の中で
もう一度
スクロールする。

時として
ウッと
嗚咽を飲み込む

まれに

エンドロールで
監督の意図に
気づくからだ。

さて、

当然
わたしの人生にも
エンドロールの流れる時が
くる

浮世で出会った
あらゆる人々が
次々と
スクロールされるに
違いない

そして、

えっ
大嫌いだったあの人が
意外にも
この位置に!

えっ
あの人は
わたしにとって
そんなに重要な人だったの!

しばし
沈黙に
制御された後

ブラックバックになり

わたしはやっと

静かに

席を立つ。

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