イタリアという、一見シンプルで、とても掴みにくい国家。

イタリア
という単語を聞くと
一瞬、
とてもライトな
浮遊感がある。
トリコローレの国旗、
太陽と海と漆喰、
女性に熱心な男性、
賑やかな政治…
しかし、
よく思い返せば、
ここはあの
ユリウス・カエサルを輩出し、
紀元前より
ローマ帝国という有史時代を築き上げ、
キリスト教公認後は
カトリック総本山として
世界に君臨し
中世においては
建築・絵画・彫刻・学識の
殿堂として
あのルネサンスを育み、
戦後といえば、
パルチザンの葛藤を中心に
ネオレアリズモと呼ばれる
数え切れぬ珠玉の映画を生み、
現代においては
ファッションや
クルマ産業の
ブランディングにおいて
他国の追随を許さぬ、
とてもすごい、
重々しい国である。
ライトとヘビーの共存が
この国を分かりにくくするが、
それは、
イタリアにイタリア料理は無い、
あるのは郷土料理だけだ..
という名言に代表されるように、
歴史と伝統をひっさげた
錚々たる都市国家の集合体が
イタリア共和国という名で
ラッピングされてから
わずか150年程度という、
歴史の浅さに
起因しているように思えてならない。

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