わ〜地球が….、 絶体絶命とはこのことか〜!

電車の中で
スマホが一斉に鳴動する。

「緊急情報! 地球が太陽の周回軌道から外れます!」

「えっ!…」

「ええ〜っ!…」

画面をロールする真っ赤な文字。

「一体どうしろというの〜!」

あちこちで上がる悲鳴。

普段素知らぬ乗客たちが
一気に同朋に見えてくる。

次の瞬間…
不気味なノイズとともに
ゆっくりと
時空が伸び縮みをはじめる。

電車はレールを外れ
既に宙を彷徨っているようだ…

天地左右の感覚は失せ
見慣れた車窓の景色は
ナスカの地上絵のように
遠く歪む。

カウントダウンのごとく、
視界がブラックアウトと
砂嵐を繰り返す。

あ〜、全てが終わりなんだ〜…

40数億年の地球の歴史も、
よりによって、
こんなピンポイントに…

私の時代で
こ〜やって終わりを告げるんだ〜…

恐れの一方で、
どうしようもない妙な達観…

世界も、国家も、国際関係も、
そして、人々の英知も、歴史も、
全てが意味を失い…

ただ赤い流星として闇に消えていくのか〜…

青や黄、
無数の火花が散り始め
激しい振動に
必死に歯をかみしめた瞬間…

目が覚めた…

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