もう７〜８年も前の夏だが、
四条大宮辺りに宿泊したある日、
足の向くまま「好きな京都」を歩こう…と
徒歩出発した。

とにかく足にまかせたので
頭は動いていない。
しかも暑い。

足は「鴨川」沿いに川端通りを北上し
いつの間にか大原街道を歩いていた。

何にも乗らず、
大原三千院に至り
見慣れた山門を見て納得し、
再び徒歩で市街へ戻り
ホテルへ帰還した。

２時間休憩して、
また徒歩で出た。
この足は次に何処へ行くのか…、
再び足に期待する。

御所の玉砂利を抜けた足は
すたすたと北を目指し、
今度は「賀茂川」へ出て
上賀茂神社に及んだ。

暑い。
ペット茶１本で凌ぐ。

少し夕暮れた頃、
足は勢いよく岡崎辺りの寿司屋を目指していた。
海に遠い京都の寿司だ。

寡黙で
滅多なことでは喋らない大将が
「まるで阿闍梨さんですなあ」と
呆れたように言った。

ここは雪の八甲田ではない。
平和な京都の遠足だ。
しかも
阿闍梨は寿司は喰わないだろう。

満足して四条大宮のホテルへ帰還。

京都通なら
相当の距離とお分かりだろうが、
言いたいことは、
これが
私の大好きな京都ということだ。