「和食」と「洋食」について考える。

和食は
引き算の料理
洋食は
足し算の料理
という言葉をよく耳にする。
私はこの表現が
今ひとつ理解できていない。
素材そのものの味にこだわるのが
和食の真髄であることは理解できるが、
その和食の象徴である「お出汁」だって
カツオやマグロ節に留まらず
昆布や椎茸など合わせたり
調理段階においては
さしすせそ..に代表されるように
微妙に調味料で味を整える。
究極の和食料理と言える刺身とて
そのまま口に運ぶことは稀で
醤油や粗塩をつけて頂く。
僅かかもしれないにせよ
こうした手間が加わるだけで
既に足し算の料理だと思う。
一方、
西洋料理で言えば、
お出汁はさしずめ
フォンドボーなどに代表される
フォンを言うのだろうか。
確かに動物性から植物性まで
いろんなものをぶっ込み
更に何か入れるものはないか..と
模索する。
しかし、
求めているものは
お出汁と共通する下地作り、
コクや旨味など
同様の概念と思われる。
引き算、足し算という定義にこだわり過ぎて
本来「料理」という所作がもつべき
自由度が損なわれることを危惧して
ちょっと言ってみたかったが、
既に言葉の遊びになっていると
自戒している。

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